「ステーキのくいしんぼ」元店長の過労自殺に賠償命令!! [社会]
首都圏を中心にチェーン展開している「ステーキのくいしんぼ」の元店長(当時24歳)が、4年前に自らの手で命を断った。
元店長の両親が、自殺は過酷な長時間労働と上司によるパワハラなどが原因として会社側を訴え、東京地裁は「ステーキのくいしんぼ」を経営する「サン・チャレンジ」に約5,800万円の賠償命令を下した。
過労自殺をしたステーキハウス「くいしんぼ」の元店長
出典元:biz-journal.jp
山田裁判長は判決の中で「数カ月に1日程度の休みしかなく、長時間労働とパワハラによる強い心理的負荷で精神障害を発症させた」と判断。「業績向上をめざすあまり、適切な労務管理ができる体制を取っていなかった」と会社側の姿勢を批判した。
また、自殺した本人に過失はなかったとして、賠償額の過失相殺をしなかった。自殺をめぐる訴訟で、原告の相殺をしない判決は、まさに画期的だ。
この判決で、「サン・チャレンジ」という会社がいかにブラックな企業か、という実態があらためて浮き彫りになった。
元店長は、2007年に「サン・チャレンジ」に入社。2年後に「ステーキのくいしんぼ」の都内店舗の店長になった。
「ステーキのくいしんぼ」のHP
結局、元店長は連続勤務の90日間が終わった10年11月、店舗の入っているビルで首をつって自殺。渋谷労働基準監督署は翌12年、自殺を業務上の労働災害と認定した。
自殺する前の仕事ぶりが、これまたすご過ぎる。過酷そのものだ。
残業は、月約200時間、8ヶ月で約1400時間という超長時間労働。休日は半年にたった2日だけ…。上司のエリアマネジャーは元店長にほとんど休みを与えず、たまの休日にも「ソースを買ってこい」と店に呼び出していた。業務中の暴力や罵倒は日常的におこなわれていたという。
山田裁判長は社長個人についても「長時間労働などを簡単に認識できたのに、何ら有効な対策を取らなかった」と賠償責任を認めた。会社側の主張も根拠が無いとして完全に退けた。
最近、ブラック企業によるいじめ、パワハラ、マタハラなどの悪質な行為が、あとを絶たない。個人が追い詰められる前に、こうした会社を社会的に追い詰め、孤立させていくことが必要ではないだろうか。
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