「危険ドラッグ」で交通事故多発 問題の化学物質”ジフェニジン”とは…
「脱法ハーブ」などの危険ドラッグ(7月22日、公募により「脱法ドラッグ」から変更)を吸ったことが原因とみられる交通事故が多発し、多くの犠牲者が出ています。
池袋駅西口での事故(6月24日)
痛ましい限りです。
東京都の池袋や新宿、板橋、大阪、名古屋、福岡など、人通りの多い場所でおきています。気をつけましょう。とは言っても、急に車が暴走してくると避けられない時もありますけど…。ホント、危なくって歩くこともできません。
統計によると、「脱法ハーブ」を吸って警察に摘発された人は、2011年が0だったのに、翌12年が19人、そして昨年が40人と急増しています。救急搬送される方は、もっと増えています。
お店で売っているので、簡単に手に入るからでしょうか。
最近の「脱法ハーブ」による交通事故について、今月19日放映のTBSテレビ「報道特集」で、北里大医学部(救急医学)の上條吉人教授が、こう話しています。
「新たに出てきた成分が、交通事故の多発に関与しているのではと疑っている」と。
上條教授は、これまで脱法ドラッグの成分は、大麻に近い合成カンナビノイド系、覚醒剤に近い合成カチノン系、麻酔薬ケタミンに近いメトキセタミンの、主に3つだったといいます。
そこで、新たな成分として注目されているのが、「ジフェニジン」という化学物質です。
この「ジフェニジン」という化学物質、一体どのようなものでしょうか。
「ジフェニジン」は、国内で麻薬として規制されているα‐PVPと同じような化学構造を持つ物質で、症状・作用も同様ではないか、といわれています。
一方「α‐PVP」とは、コカインや覚醒剤に似た作用がある薬物で、その毒性はナント覚醒剤の1.5倍。吸ったあとの”高揚感”は、零下10℃の真冬のニューヨークでもシャツ1枚で歩けるぐらい、とのことです。
「ジフェニジン」は、こんな強い毒性の麻薬と同じ化学構造をもっているんですから、吸うと危ないわけですよね。
また吸ったあとの症状として
①麻酔薬である「ケタミン」に似た作用を持ち、頭で考えたことが行動に移せない
②「危険ドラッグ」を使ったこと自体、記憶にない
③吸った後に運転すると事故を起こし、体が硬直して動けなくなる
などが、指摘されています。
たしかに、池袋での事故発生直後、運転手が運転席に座ったまま動けず、警官に車から引っ張り出されていましたよね。
上条教授も、「薬の影響で体が硬直してしまい、事故を起こしてもなお、ハンドルやアクセルから手足を離すことができない。強い毒性が脳や体に作用し、他者にも被害を拡大させてしまう恐れがある」と述べています。
「ジフェニジン」は、昨年9月から東京都知事が指定する薬物として、また同じく11月20日から薬事法に規定する「指定薬物」として、取締りの対象になっています。
当たり前ですよね。
「脱法ハーブ」は、大麻や覚せい剤などの「禁止薬物」に似た成分を染み込ませた植物片のことで、厚生労働省は、薬事法により、ハーブに含まれる成分で中枢神経に影響する恐れがある1370種を「指定薬物」と定めて、製造や販売を禁止しています。
「脱法ハーブ」がいかに危険なのか、ご覧ください。
また吸引による事故があいついでいるので、今年4月から、同じく薬事法で「脱法ハーブ」の使用、購入、他人からの譲り受けだけでなく、所有しているだけでも取締りの対象としました。
これも、至極当然。
しかし、有害成分が取り締まり対象に指定されるたびに新たな成分が出回るなど、まさに”いたちごっこ”というのが実態です。
これ以上新たな犠牲者を出さないため、
こんな危険な「脱法ハーブ」に手を出すのは絶対にやめましょう。
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